『天道神祇の詔文』

   § : 飛天魔行 『天道神祇の詔文』
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序文/伝承/異世界ファンタジー/東洋風/陰陽の世界/神と魔物/半神半人/天魔/神器/天凌五嶽/支天柱/
【短編/完結済/約500文字/読了時間約1分】
シリーズ全体の序文のようなものです。このお話の世界に伝わる「神話」であり、天魔やこの世界についてを述べているものでもあります。




 世界には、天地を支える五本の柱がある。
 それは天をも凌ぐほどに高い山、数えて五山であることから「天凌五嶽(てんりょうごがく)」と呼ばれ、天地を繋ぐこの五山を通して、世界を循環する陰陽の氣は巡っている。
 五つの聖嶽は、東西南北に一嶽ずつ、中央に一嶽。四方それぞれには方位を司る四夷神(よんいしん)が住まい、世界の中心にある一嶽には、五本の柱と四夷神を統べる最高神が住まう。

 氣は万物に宿り、「陽氣」とは生気、「陰氣」とは死気を指す。
 陰氣は地に還り、陽氣は天凌五嶽を通じて天に還り、ゆるやかに巡るその流れによって世界は保たれ、死滅と再生を繰り返す。
 然るにこの天地の則は緩み崩れやすく、どちらが勝りどちらが劣っても、天地の均衡は狂いを生じる。

 そこで世界の中心、最も高い場所におわす神は、神でも魔でも人でも獣でもない者達を作り、陰陽を御する「破天(はてん)の力」を持つ神器を与え、乱れた氣を御する裁定者とした。
 陰陽の氣を持たない彼らは天地の則から外れ、自身の命を持たず、神器に宿る神の力によって不滅の時を過ごす。

 神でも魔でもないこれらを、「天魔(てんま)」と呼ぶ。



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